だって、だってなんだもん。

愛がなくても始まるのに、愛がないと続かない

白木蓮吾、三浦春馬。


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その訃報を知ったとき、奇しくもテレビからはflumpoolの「君に届け」が流れてきた。

 

三浦春馬の急死。

 

あぁ、ごっち、、、。

木蓮吾、、、とふと頭によぎってしまった。

 

訃報から早一週間。サイトニュースやワイドショーで彼の写真を見るたびに、まだ彼がいない世界を実感できていない私を実感している。

 

特別大ファンだったわけじゃない。出演作を必ず全部欠かさず追っていたわけじゃない。でも、イチ視聴者として、三浦春馬のことは大好きだったし、魅力的な俳優だと思っていた。当たり前に存在して当たり前にテレビの中で活躍している俳優だった。当たり前に普通に好きだったんだ。私の学生時代の青春には彼のドラマや映画があったし、大人になってからだってたくさんの素晴らしい作品を見させてもらっていた。

仕事もプライベートも順風満帆。そんな風に見えていたのに。

本当のことは見えない、分からない。

分からなかった。

 

 

 

 

ピンクとグレーの話をします。

加藤シゲアキの小説家としての処女作『ピンクとグレー』。映画化もされたこの作品でのキャスト勢は中島裕翔(ごっち)と菅田将暉(りばちゃん)だったけど、小説の段階で私が思い浮かべていた白木蓮吾(ごっち)像は三浦春馬で、りばちゃんは私の頭のなかでも菅田将暉だった。

 

ピンクとグレーを読んだ人なら分かるが、ごっちは芸能界でひょんなことからスターダムにのしあがった若手俳優で、まさに人気絶頂・順風満帆な芸術生活を送っていた(ように見える)なか、突然首を吊って自殺をする男の子。

 

私の中のごっち像がなぜ三浦春馬だったのかと言うと、自殺をすること以外はごっちの性格や振る舞いや行動や人気スターになる経緯がなんとなく「三浦春馬っぽかった」から。淡く三浦春馬像を思い浮かべるぐらいには三浦春馬のことをなんとなく知ってるつもりだったし、好きでした。

 

作中では、ごっちの親友りばちゃんが、ごっちの死後彼に関するノンフィクション本を執筆し、ごっち役として映画を撮り、その過程で生前のごっちの葛藤や心情を理解していくんだけど。

 

端から見たら順風満帆な人気俳優、人気アイドルだったとしても、本人たちが抱えてる想いなんて本当のところは誰も分からないんだよなぁ…。芸能界って私たち一般人からしたらとても華やかに見えるけど、表があるなら「裏」があり、光があるなら「闇」があるんだよなぁ…って、ピンクとグレーを読んで思ったんだよなぁ。

 

思ってたんだよなぁ。

 

 

三浦春馬くん。

たしかに私の白木蓮吾像は君だったけど、死に方までごっちにならないでよ。

 

 

 

本当に悲しい。

これからもたくさんの役を演じる春馬を見ていたかった。本当に素晴らしい俳優だった。爽やかな青年で、笑えばかわいくて、役を背負えば別人になる、才能溢れた人でした。同じ時代に生まれ、同じ時代を生き、少年から青年になって、私は春馬をテレビの前で応援し、おじさんになってく春馬も見たかった。たくさんのドラマ、たくさんの映画、舞台、ブロードウェイにも夢を見ていたじゃないか。たくさんの仲間がいたじゃないか。たくさんの人から愛されていたじゃないか。30才。まだ30才だよ。若すぎるよ。

何があったの?何が足りなかったの?

どうしてそんな逝き方したの…。

 

 

死人に口なし。本当のことはもう誰にも分からない。私には春馬が光って見えていた分、彼の後ろにある影や闇には全然気がつかなかった。光しか見えていなくて、闇に気付こうともしなくて、ごめんなさい。

 

 

木蓮吾みたいだなんて思わなければ良かった。どうしてもピンクとグレーをリンクさせてしまって、三浦春馬が素晴らしい俳優すぎて、ピンクとグレーが素晴らしい小説すぎて、どちらも大好きだったから。

ごっちが抱えていた闇は、ごっちが死んでからじゃないと気付かれなかった。ごっちにはりばちゃんがいてよかった。

 

春馬が抱えていた闇を、せめて俳優仲間の誰か、誰か分かってあげれませんか?今からでも気付いてあげれませんか?春馬にとってのりばちゃんがいたらなぁ。(ピングレのように辿らなくていいから。)

 

 

三浦春馬という俳優を知れたこと、

本当に良かったと、

そう伝えたいです。

 

 

いまだに春馬の笑顔が渦を巻いて

ずっとLoop Loop Loop Loopして。

 

三浦春馬のいた時間を、ずっと忘れません。

 

 

どうか安らかに。

ゆっくり休んでね。大好きでした。

素敵な人生をありがとう。ご冥福をお祈りします。